読書術の本を2冊紹介します。
最近立て続けに読書術の本を読んだのでご紹介。
①遅読家のための読書術/印南敦史
遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣
- 作者: 印南敦史
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『フロー・リーディング』という、流れるように本を読む方法を推奨した本。情報を溜め込まない読書をすることで、次々と本を読めるようになる→遅読が解消する、という方式。
読んで覚えようとする必要はない、とか一言一句逃さないように読まなくていい、とか自分としては目から鱗でした。しっかり本の内容を記憶しなければ読んだ意味がないと思っていたから。けど、『何日もかけて一冊を読むより、複数の本を次々に読んだ方が多くの知識が得られる』という趣旨の文を読んで確かになー、と。そうやっていろんな本を読んだ方が知識の強化はできそう。
読んだ本については1ライン・レビュー、つまり一行でまとめた感想を書き、それが溜まってきたらベストの本を決める、というやり方が紹介されています。それがゆくゆくは本棚の整理に生かされて、どの本を残すのかの基準になるそう。
ただこの本では、なんのために読書するのか?という問いに対して、『知識を得るため』という理由が否定されてるのが個人的にはちょっと気になって。結局は読む人それぞれが自分なりの理由を持って読めばいいってことだな、と結論付けました。
ただ全体的にはなるほどと思った部分も多かったので、遅読で悩んでいる人には読んでみるといいかも。
②東大読書/西岡壱誠
こちらの本は①とは真逆で、じっくり考えながら読むことを推奨。本を取材する、本の内容に質問しながら読む、本と会話する等、徹底的に一冊の本と向き合って学んでいくというタイプの読書術。
要約できる、ということは著者の主張を理解できていることに繋がるため、本の要約を勧めています。この点は、①の1ライン・レビューにも繋がる部分があったり。
多角的な思考を身に付ける方法として、『パラレル読み』=共通するテーマの本を2冊同時に読むという方法や、『クロス読み』=複数の本で議論が分かれる部分を探してノートにまとめるというやり方が紹介されていて、ある意味ちょっと高度な国語の授業のようだな、と。学校では教えてくれない本の読み方、という感じ。こういうのを学生のうちに知っていればもっと本が理解しやすくなるし、本の内容を理解できる人が増えるかもしれないなぁ。
少なくとも読解力はものすごく上がると思うので、是非国語の授業で取り入れてほしい、このやり方。
他にはポイントをその都度付箋に書いて残す、読みっぱなしにしないで感想をまとめる、帯コメントを考えてみる等が挙げられていて、アウトプットが大事というのは読書術としては鉄則というか共通概念だなぁと。
そんな読書術本の感想でした。①は社会人向け、②は学生向けといった感じ。たまたまでしたが続けて趣の異なった読書術本を読めたことで、これこそパラレル読みとかクロス読みが出来てるってことなのかなと思ってみたりした。